Gag Story Change ―6―「も・・桃花?外出すんのか?」ベッドで寝そべっていた八戒が、眠そうに聞く。 「・・・俺の体が心配だからな。出掛けてくる。」 忌々しそうに言い捨てて、部屋を出ようとする桃花に、 「キューッ!!」ジープが追ってくる。 「なんだ?てめぇも外に出るってのか?」桃花が睨み付けると 「キュッキューッ」それに答えるジープ。 「――却下だ。」 冷たく言い捨てて扉を閉めようとしたのを、すり抜けて出るジープ。 「てっめぇ~・・!」ジープの首を掴み、壁にぶつけようとした時、 「見て~!あの子、動物虐待してるわよー?」「ええ~っ?」 宿に泊まっている別の客に、見咎められた。 「・・・・チッ。」仕方なく、ジープを離し 「面倒かけるんじゃねぇぞ。」一言だけ言い、歩き出す桃花。 その後ろをヨタヨタと飛びながら、ジープが追う。 部屋では、悟浄と八戒が、同じベッドで仲良く昼寝をしていた――――――――。 「良いんですか?三蔵・・・。」悟空が遠慮がちに聞く。 「んあっ?いーっていーって!向こうからくれるんだから・・♪」 三蔵がニシシと笑った。 はぁ・・と悟空がため息を付く。 三蔵は(中身は桃花だが)女性に愛想を振りまくっている。 アッチの屋台で笑顔。コッチの店で笑顔。・・・二人で両手には抱えきれない程の “戦利品”を持っている。 「さっきの店の子さ~。手を握ったら卒倒しちゃったよっv」 満面の笑顔で言う三蔵に、悟空は目眩を覚えた。 『桃花が男性になると、悟浄以上の・・・・に、なるかも知れませんね。』 チラッと三蔵を伺うと、飴を口に放り込んでいる。 「先程から飴ばかり口にしてますね?」 「うーん。なんつーか、口寂しくて・・・。」小首を傾げる三蔵。 三蔵が小首を傾げている姿に、またもや目眩を覚えつつ、 「煙草ですよ・・煙草。三蔵も結構、吸いますからね。 今日は一本も吸ってないでしょう?」体は三蔵のモノですからと、悟空の説明に 「なるほどっ!・・どーりで、朝早くに目が覚めたんだっ!」 得たりと三蔵が手を打った。 三蔵は(一応)坊主なだけに、朝が早い。大抵、誰よりも早く起きている。 「んじゃ、禁煙させるかっ!この際だし!!」全く煙草の吸えない桃花。 「ソレは良い考えです。」悟空が微笑んだ。 悟浄君も、ジープの体じゃ吸えないしね?・・と、 二人で禁煙の話しに盛り上がっていると―――――――・・「お前達だけか。」 背後から、殺気と共に声がかけられた。 「―――・・紅孩児っ!?」悟空が金精眼を見開いた。 珍しく高い場所からではなく、普通に道の真ん中に立っている。 「久しぶりだねぇ、紅君♪」 満面の笑顔で、紅孩児に話し掛ける三蔵。 「「「「!?」」」」固まる紅孩児一行。 「・・おや?その可愛い娘は誰?・・美人さんまで連れちゃってv」 三蔵の軽口に、紅孩児一行は―――――――――――――――――――石化した。 |